ミクロ・ナノ粒子の構造制御と機能化設計
産学連携の研究会発足
薬事日報 2005年(平成17年)8月10日
技術系シンクタンクのカネカテクノリサーチ(本社神戸市、代表取締役長町知昭氏)は、産と学を橋渡しする「ソフトマテリアル・プロセス研究会」を発足させる。エマルションから粉体までを含むミクロ・ナノ粒子の構造制御と機能化設計に関して、5大学の研究シーズと産業界のニーズを結びつけるもの。10月の活動開始に向け現在、医薬品や食品、化粧品メーカーなどを対象に参加を募っている。
同研究会は、微小な機能性粒子の製造や設計、生体適応に向けた評価などについて、大学側が有する基盤技術を産業界に提供。産業界はそれを各自の研究開発や製造などに役立てる。2004年度に設置された「ソフト・ボンディング研究会」をリニューアルし、粉体だけでなく液状のエマルションにまで幅を広げて、今回の研究会が組織された。
産学連携のプラットフォームとしての活用を目指し、講演のほか、産業界が基盤技術を現場で役立てるための実験技術や評価技術について技術講習が実施されることが特徴。1年間で全体討論会は3回、技術講習会は4回行われる。
研究会は各大学に研究テーマを委託し、その成果を報告するという形式で運営される。そのテーマと研究担当者は次の通り。
○「マイクロ(微小)空間を利用した合成・乳化の構造形成とその制御」前田英明氏(九州大学大学院総合理工学府新素材開発工学教授) ○「脂質コロイド微粒子・脂質エマルションの構造制御と機能性設計」半田哲郎氏(京都大学大学院薬学部製剤機能解析学教授) ○「湿式手法によるソフトマテリアル複合粒子の調製とその制御」福森義信氏(神戸学院大学薬学部教授) ○「乾式手法によるソフトマテリアル複合粒子の調製とその制御」内藤牧男氏(大阪大学接合科学研究所教授) ○「薬剤マイクロ微粒子化システムおよびマイクロニードルによるDDS設計」高田寛治氏(京都薬科大学教授)
研究会への参加費は1機関当たり29万4000円(複数名参加可能)。研究機関は05年10月から1年間。04年度のソフト・ボンディング研究会には、医薬品、食品、化粧品メーカーなど28社が参加した。今回は30〜35社の参加が見込まれている。
問い合わせは、研究会事務局を務める同社調査部の矢野氏(078‐574‐1506)まで。